平安時代に藤原教長が浮島に遠流され、7年間この地に住んだ跡と伝わります。木造聖観音は安産の神として現在も信仰を受けております。
西浜観音堂の大杉(稲敷市指定天然記念物)
保元の昔(1156年)、崇徳上皇に味方して戦に敗れ、藤原教長(左京大夫正三位)が捕らえられて浮島に配流されたのは、保元の乱も終わった秋の頃といわれる。
その後教長は、ここ浮島で幽囚の七年余を過ごしたわけであるが、その配所の後がこの西浜観音堂境内と言われ、また、観音堂の老杉も教長手植えのものと郷土の口碑は伝えてきた。
ちなみに、赦されて都に帰る(応保二年)教長が、里人に残したと伝えられる遺墨に
「ゆめのまにまに七歳あまりすごしなむ、このうつし植えたる杉のみどりと村びとたちのこまやかなるかたちを末ながく契りて、浮島の里人と別れんとするときに」と記されている。(稲敷市教育委員会)